「特許庁が推奨するデザイン経営」という言葉を聞くと、それだけで何か違和感を感じてしまう人もいると思います。
そのなんとなく感じる違和感の正体は、例えば、批判的な記事等を読んでみると何となくわかってきます。
一方で、特許庁の「デザイン経営ハンドブック」を読んでみると、ナルホドなと共感する内容でもあります。
結局のところ、こうした「バズワード」になる以前から、「デザイン経営」にまとめられたことを、無意識に実践していた企業や経営者が存在し、
それを後付けで方法論に落とし込んだものなので、成功事例の後付け分析にありがちな欠点=「成功事例には他の要因もあるかもしれない」部分が、
「デザイン経営」というロジック化の過程で捨象されている可能性があります。
論理的にまとまったロジックは、なるほどというもっともらしいことが羅列されていますが、本当にその通りに効果を出せるかどうかは、
企業毎に異なる多様な要因との複合作用によって異なるはずです。
つまり、「デザイン経営」も、そこにまとめられたロジック、考え方、方法だけを取り入れて上手くいくようなものではなく、
それを自社にマッチした独自の方法論にまで設計、再構築することが必要なのではないでしょうか?
そして、「デザイン経営」に書かれていることだけをやっても上手くはいかない、同時に改善せねばならない要因は何か?を把握し、
面倒でも、それらの全てを含めて、総合的にどうすべきかをデザインして実践できた時に、はじめて真の効果が出てくるものだと思います。
つまり「デザイン経営をデザインする」ことが必要ということです。